いまさらだけど『デッドストック〜未知への挑戦〜』がスゴかった。

 作業の傍ら、テレビをつけておくのですが、放送中のものにピンと来なかった場合、録画を利用します。この年末年始、そんな流れで、夏場に録画はしたものの観る機会が得られずほったらかしにしていたテレ東系の深夜ドラマ『デッドストック〜未知への挑戦〜』を順々に鑑賞していたのですが。

 リアルタイムで観てたら大騒ぎしてたかも知れません。想像以上に意欲的な作りでした。

 テレビ東京の社屋移転によって判明した、素材テープの“デッドストック”を整理するなかで、奇妙な現象を収めた映像を取っかかりに、スタッフが同様の怪異の撮影に挑み、結果として事件に遭遇する――という内容になっている。いわゆる“心霊もの”に属するエピソードから、コックリさんを背景としたエピソード、更には吸血鬼もどきや宇宙人めいたものも登場し、オカルトな趣向を網羅した感がある。 しかし白眉は、スタッフの過去にまつわる大きなエピソードも終了して迎えた最終話です。きっかけとして使われるのは、1970年代に一世を風靡した清田益章によるスプーン曲げの映像。これを観たスタッフは、検証も兼ねて、清田のスプーン曲げを撮影したい、と考える。そうして登場するのは何と、現在の清田益章本人なのです。

 憎いのは、この最終回のみ、監督に森達也を招いていること。オウム真理教事件に取材した『A』や、佐村河内守に密着した『FAKE』など、かなり切りこんだ取材を展開する、本物のドキュメンタリー監督です。しかも劇中、清田を紹介してもらう人物として、登場人物の師匠という立ち位置にて実名で出演もしている。

 森は過去に実際、清田らに取材した『職業欄はエスパー』というドキュメンタリーを撮っており、本当に清田との繋がりを持っている。そうした背景も背負った、いわばメタ・フィクション的な構造にしているのです。

 この説明で興味を持つような人なら恐らく、物語の決着にも唸らされるはずでしょう。興を削がぬよう、このあたりで説明は止めますが、この最終話に至る10話がすべて複線であったかのようにさえ思える、見事な締め括りになっている。最後の語りからエンドロールを挟んで、もうひとつ映像を添えるあたりの趣向は痺れるほどスゴかった。

 ……ああ、でもリアルタイムで観たかったな〜。